大正時代の京の嫁入りを忠実に再現するという、結髪師聖子さん監督による、
“本気のあそび”
という名の素敵な撮影会が、月屋で行われました。
恐れ多くも花嫁役 女将と、仲人役 あゆみさんで、モデルを務めさせていただきました。
親戚の方役のモデルさんは地毛結の丸髷です。
お着物はお婆さまのものだとおっしゃっていました。
一方あゆみさんは同じ丸髷でも、「半かつら」という地毛とかつらを組み合わせた技法で、
短い時間でも、また短い髪の人であっても日本髪姿になれるという、魔法のような職人技です。
今回モデル3名で、時間的に地毛結が難しかったため、
役柄に合わせ、人毛の半かつらを手結いし準備してきてくださったわけです。
生え際は地毛を使いますので、
近くで見ても、かつらとはわかりません。
文金高島田に角隠し、アンティークの黒振袖を着付けていただきました。
このびらびら簪(銀色の)と、後ろのくるくるは、
京都の花嫁さんならではの飾りなんだそう。
お着物や小道具に至るまでアンティークで統一感と設定があり、一切手抜きなし。
だんだんその気になってくる花嫁と仲人。
嫁入りとは、家から家へ送り出すこと。
家での支度の風景は、晴れやかな中にもどこか物悲しさを帯びています。
「おねえさん、うち・・・」
「しっかりしよし」
「ほなそろそろ・・・行くえ」
そんな声が聞こえてきそう。
京都やし、こんなクラシカルな大正時代の婚礼スタイルもええ思います。
髪結いと前撮りなんかいかがでしょう? ぜひお問い合わせくださいませ♡
ちなみにこの姿のまま、月屋から錺屋まで歩いたら、どうにも目立って、
道行くおばあちゃまたちが、うちらのお母はんの時のや・・・とざわざわ・・・
黒い花嫁さんええなぁとおっしゃってくださいました。
折角なので、外で撮影したい!
なんと西陣のお宿鯉屋さんまで移動しました。
立派なお庭と縁側をお持ちの鯉屋さん。
今回特別に撮影許可をいただきました♡
未婚なので、もちろん花嫁さんなんてはじめてやったのですが、
1日「お嫁さん」と呼ばれ、こんな素敵な衣装に身を包むと、
ほんまに嫁ぐ気分になりましたし、
一生に一度の、貴重な体験をさせていただきました。
聖子さんはじめ、ご協力くだすった皆様、
本当に有り難うございました!
今回は思いきりハレの日の日本髪でしたが、
ケの日の日本髪も魅力的なんです。
聖子さんとの、ケの日の髪結い。こちらを参照ください。
日本髪を日常に。
文化を繋ぐ聖子さんのご活動を、心から応援すると共に、
令和の世にも、私たちの世代が伝えゆかねば。
女将 涼子
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