朝から明るいなぁ思たら、夏至やて。
はぁそうかいな。
きょうのおやつは水無月です。
うつわは、紫の色ガラスでそろえてみました。
涼しげなお菓子やなぁ。
御旅宿月屋
女将 涼子
女将日誌
朝から明るいなぁ思たら、夏至やて。
はぁそうかいな。
きょうのおやつは水無月です。
うつわは、紫の色ガラスでそろえてみました。
涼しげなお菓子やなぁ。
御旅宿月屋
女将 涼子
三日月のお部屋のゲートレックレーブルのお手入れをしました。
まずはやすりをかけて塗装を落として。
漆塗りにするか迷ったのですが、やはりイギリスのアンティークなので、17世紀から使われる伝統的なシェラックニスを使用。
4回塗りしてから、蜜蝋ワックスで仕上げました。
蜜蝋ワックスは和蝋燭を溶かして、荏油と混ぜた手作り。
艶々のうるうるになりました。
常連さんの反応が楽しみ♪
やはりアンティークは当時と同じ手法でリペアしたい。
艶や木目が美しいし、体や環境にもやさしいのだけど、天然塗料なので耐久性が低いらしい。
熱いカップなどを直に置くと輪染みができてしまうのが、
客室の備品としては課題なんですよね。
というわけで、お客様にお気遣いいただくものなんだかなぁと思ったので、
迷った挙句テーブルクロスをかけました。
イギリスのアンティーク手編みレース。
今日は芍薬も満開で、
ドレスみたいにかわいくて癒された…
御旅宿月屋
女将 涼子
先日月屋スタッフのみんなと、
館内のメンテナンス「油引き大会」をしました。
使用するのはこちら、山中油店さんのベンガラ、柿渋、桐油。
こちらの傷が目立つようになってしまった洋室「三日月」の床に、
まずはベンガラを塗って色をつけます。
ベンガラは赤・茶・黒とあります。
黒は粋で渋いイメージ。赤は妖艶。茶色は無難、落ち着く。
今回は黒ベンガラを柿渋で溶きました。
黒といっても、真っ黒にはなりません。使う量でも色は調整できます。
町家といえば一般的に茶色なんですが、個人的には茶色だけやと明るすぎるかなぁと思うので、錺屋では黒と茶を混ぜて使っています。
割合も濃さも、適当でも問題ありません。塗り重ねても良いので。
塗り直しではそんなに量はつかいませんので、余ってしまうと思いますが、また次回つかっても大丈夫です。(酸化して色が黒くなるけど。)
刷毛でざっと床に置いて、ぞうきんでのばしていきます。
ぞうきん塗りのほうが早いので、おすすめ。
ベンガラの乾燥時間は10分程度でOK。
油を引く前に触ると、色がついてしまいますので、気をつけましょう。
次に油を引いていきます。
町家で使われる建築油で代表的なものは、安価なものから順に、
菜種油、亜麻仁油、桐油、荏油があります。
町家1軒、改修時には一升買いましたけど、お手入れなら、500mlでちょうど良いくらいです。
床でしたら菜種油以外にしましょう。
桐油は速乾性がいちばん高いので、薄く引いてから乾拭きしたら、もう歩けてしまうほど!
天然塗料は体にもやさしい上、ペンキやニスよりも、早く仕上がります。
そして玄関扉は柿渋のみを塗ってから、桐油で。
柿渋は天然の防腐剤。ただ独特の臭いがあるので、
こんな時じゃないと出来ません…
柿渋は使う前によく振ること。
そして開封後半年以内の使用が推奨されています。
こちらも500mlを購入し、使い切るほうがおすすめです。
臭いは油を引くと、マシになりますのでご安心を。
油は艶を出しつつ、木を守ってくれます。
縁側や、廊下、家具類、格子は油引きのみ。
少量の油を乾いたぞうきんで、引いていきます。
そしてもうひとりが乾拭き係。乾拭きすればするほど艶が出ます。
木が喜んでいる声が聞こえてきますよ。
油の匂いはしばらくふわっと残ります。
匂いの好みで選んでもいいかもしれませんね。
亜麻仁油は楽器のお手入れによく使われているので、音楽をやっているかたがいらっしゃると、懐かしまれたり、また「楽器の中にいるみたいな気分」と言われたこともあります。
三日月の床、見違えるようにきれいになりました。
黒ベンガラでも、日がはいるといい茶色にみえます。
格子からの入る西日が、とてもドラマティック。
そして休業に乗じて、今まで踏み切れていなかった動画撮影に精を出しており、
ついに公式Youtubeチャンネルを開設しました。
この日のようすも、ぜひ動画でご覧くださいませ*
チャンネル登録してもらえたら嬉しいです。
御旅宿月屋
女将 涼子
スタッフしょうちゃんの誕生日。
時節柄ぱーっとお祝いできないので、少人数で、休業中の月屋で、
こっそり集まって・・・
kosちゃんの手作りガナッシュ&ベリーのチョコレートケーキ。
クリームにもラズベリーが入っていて、ほんのりピンク色。
みんなで楽しくデコレーションしました。
♡尽くしのラヴリーなケーキになりました。
甘酸っぱくて、美味しかった。
大きかったので、いっぱい食べちゃった。
するするーっと食べられる、魔法のケーキだった。
しょうちゃんお誕生日おめでとう。
いつも本当にありがとう。
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御旅宿月屋
女将 涼子
玄関灯の文字が劣化して剥がれてきたので、書き直しました。
前回はカシューで書いて5年保ったので、今回は実験的に漆で。
どれくらい保つかしら。
町家にとって、玄関灯は表札代わり。
営業中に外して作業するのは不格好なので、
今回の騒動で、休業を利用できて幸いでした。
英字看板も、塗装をし直しました。
以前はベンガラ+柿渋塗装だったので、一旦ヤスリがけ。
今回「拭き漆」で仕上げました。木目が映えてきれいですよね。
文字の白は胡粉(ごふん)。貝殻から作られる顔料です。
前回この胡粉にカビがついたので、
文字部分だけ透明度の高いエポキシ樹脂でコーティングしてみました。
こちらも実験です。
視認性が高まり、また漆の艶には品がありますよね。
休業はさびしいけれど、こつこつ手を入れていけたらなと、
せめて建物を、生き生きとさせてあげられたらな…と思っています。
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御旅宿月屋
女将 涼子
ふだんなら、筍をお出しできる季節…休館でざんねんです。
私の大好きな若竹煮。
筍とわかめは”出会いもの”
出会うために生まれてきたんちゃうやろか。
筍とわかめが、
男と女のように思えてまいりました。
そうそう、木の芽の香りも欠かせませんね。
今年は筍がええと聞きました。
下ごしらえがすこし面倒ですけれど、
#STAY HOMEで例年より時間がおありでしょうから、
ぜひ筍召し上がってくださいね。
御旅宿月屋
女将 涼子
世界をさわがす
某ウイルスに関連するあやこや。
どやこや言いませんけども、
月屋も影響は受けており、ご利用のない日は閉館しております。
開業して五年半、初めてお部屋から花器をさげました。
ずっと、欠かさなかったお花。
いきもののないお部屋は、どこか寂しげで・・・。
お花屋さんではもう芍薬の蕾が売っていて、
今年は芍薬が飾れないのかと思うと、じわっと涙が溢れました。
2軒分のお花や枝物を買って、背負って帰ってくるのは大変なんやけど、
夏なんてボヤきたくもなるんやけど、
今はそれがしたい。
日常こそ、満たされている。
そんなことを思いました。
先日、誕生日だったのでプレゼントにと、
lisnのお香をいただきました。
さくらと若葉と潮風など、春らしいお香と、
月屋だからと、月の香り三種。
MOON・EVENING MOON・EBONY MOON
さびしくなった床の間に、香炉を置いて、
月の香りを楽しんでいます。
STAY HOMEにお香は良きパートナーですね*
そういえば、昨晩はひときわ大きい満月でした。
みなさまのご健康と、収束を、
そして日常が戻るようにと祈りました。
早うお会いしたいですね。
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御旅宿月屋 女将
涼子
京都のソメイヨシノはまさに満開。
恒例の宴会お花見は自粛・・・なので自転車で、鴨川にお茶お花見に行ってきました。
鴨川でお茶、略して鴨茶。
この間のがらくた市で買った竹籠に、お茶道具を詰めた、
携帯用茶器セットを持って。
鴨川は、直火でなければOKなので、キャンプ用コンロ等の使用可。
ヤカンでお湯もわかせます。難しいときは固形燃料とか、魔法瓶でもよいですね。
今日は紅茶のセット。
アンティークの安南焼のお茶碗でいただきます。
他にも中国茶バージョンとか、
お抹茶バージョンとか、色々楽しめるなぁと思いました。
この春はほどほどに、
ゆっくりと休みつつ、頑張ってまいりましょう。
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御旅宿月屋
女将 涼子